ベルサイユ 世界遺産の旅
フランス革命期のフランスを描いた池田理代子の漫画『ベルサイユのばら』が大好きな私。
いつかこの目で主人公マリーアントワネットやオスカルが活躍したベルサイユ宮殿を見てみたい…。
高校時代に『ベルサイユのばら』と出会ってから漫画の舞台を訪ねることが長年の夢でした。
ベルばら好きが高じて、漫画のテーマでもあるフランス革命にも相当詳しくなりました。
そこで、『ベルサイユのばら』の登場人物の中でも実在した歴史上の人物、悲劇の王女マリーアントワネットにスポットを当て、マリーアントワネットの生涯とベルサイユのばらの舞台を訪ねてみることにしました。
この【ベルサイユのばらの舞台、世界遺産の宮殿を訪ねて】の記事では、マリーアントワネットの故郷であるオーストリアのシェーンブルン宮殿、フランスのベルサイユ宮殿、それぞれの行き方と入場方法、見所を、そして、マリーアントワネットとベルばらゆかりの地を踏破した旅をご紹介させて頂きます。
1.世界遺産までのアクセス
今回の旅は、マリーアントワネットの生まれたオーストリアの世界遺産シェーンブルン宮殿と、ベルサイユのばらの主な舞台となる世界遺産ベルサイユ宮殿、そしてフランス革命の起こったパリを巡ることが目的でした。
まずはエールフランス航空でパリで乗り換え、オーストリアのウィーンに入ります。
ウィーンに滞在の後、エールフランス航空でパリに移動、パリに数日滞在してベルサイユ宮殿と市内のフランス革命関連の見所を訪ねました。
帰路はエールフランス航空で、パリから直行便で東京まで帰れます。
エールフランス航空は、パリから大阪にも直行便が就航しているのでとても便利ですよ。
2.世界遺産シェーンブルン宮殿
最初に、マリーアントワネット生誕の地、オーストリアの世界遺産シェーンブルン宮殿を訪れます。
このシェーンブルン宮殿は、645年もの間ヨーロッパを統治したハプスブルク家の栄光の象徴です。
ということで、この宮殿はマリーアントワネットファンでなくても必見の見どころです。
マリーアントワネットは、1755年11月2日神聖ローマ帝国フランツ1世とマリア・テレジアの11女として、ウィーンに生まれました。
14歳で政略結婚としてフランスの王太子ルイ16世に嫁ぐまで、ウィーン郊外にあるシェーンブルン宮殿で幼少期を過ごしました。
ベルサイユのばらの作中で、活発なマリーが遊んだ庭園にある噴水や、マリーアントワネットの部屋、モーツァルトがマリア・テレジアの前で初めて御前演奏を行い、マリーにプロポーズしたという逸話の残る鏡の間などを見ることができます。
①シェーンブルン宮殿への行き方
シェーンブルン宮殿は、ウィーンから電車で行くことができます。
地下鉄4号線のSchonbrunn(シェーンブルン)駅から徒歩5分です。
駅を降りると、みんなゾロゾロと宮殿の方へ向かうのでまず迷いません!
②シェーンブルン宮殿の入場方法
シェーンブルン宮殿の営業時間は8時30分から17時30分(7、8月は~18時30分、11~3月は17時まで)です。
いつも混雑しているので、早めに行くことをおすすめします。
チケットは事前購入しなくても、当日、宮殿にあるチケット売り場で購入できます。
チケット売り場には多少列ができており、10分ほど並びましたが、問題なく購入。
しかし、よく見るとチケット売り場の手前と宮殿の入場口の手前にチケット券売機が置いてあり、そちらはどの機械も全く列ができておらずガラガラでした。
クレジットカードがあれば機械でチケットを購入できるので、チケット売り場に列ができていたら、チケット券売機がないか探してみてください。
きっとスムーズにチケットを購入することができるでしょう。
特に、宮殿の入り口にある券売機は存在を知っている人が少ないため穴場です!
③シェーンブルン宮殿の見所は庭園にもあり
宮殿の南側に広がる広大な敷地のバロック庭園。
総面積はなんと約1.7㎢!
季節の花々が咲き乱れる幾何学模様の花壇や、シェーンブルン=美しい泉の語源となった数々の美しい噴水を見ることができます。
丘の上に立つグロリエッテからは、庭園とウィーン市内を見渡すことができます。
グロリエッテは、1775年にプロイセン勝利を祝して建てられた記念碑です。
建物の上には、ハプスブルク家の象徴である鷲の石像が掲げられています。
宮殿から徒歩20分ほどかかりますが、グロリエッテの建物の中はカフェになっていて休憩もできるので頑張っていってみてください!
3.ウィーン市内のマリーアントワネットスポット
せっかくオーストリアに立ち寄ったので、もちろんウィーン市内も見物します。
が、市内にはこれと言ってアントワネットやベルばら的な見どころはありません。
しかし、マニア根性でこれだけは写真に収めてきました!
マリーアントワネットのお母さん、女帝マリア・テレジアの銅像です。
ハプスブルク家が収集した美術品を展示する美術史博物館の前に鎮座しています。
ベルばら作中で、天真爛漫で愛らしいけれど、向こう見ずなところのある娘、マリーの行く末を心配していたマリア・テレジアお母様。
お会いできて光栄でした。
4.世界遺産ベルサイユ宮殿
ウィーンを後にし、飛行機でパリへ向かいます。
いよいよ、ベルばらのメインの舞台、マリーアントワネットが贅を尽くしたベルサイユ宮殿を訪れます。
オーストリアからお嫁に行ったマリーアントワネットの足跡を時間の流れに沿って巡りたく、パリ市内より先にベルサイユ宮殿を訪れました。
①ベルサイユ宮殿への行き方
ベルサイユ宮殿へは、パリから列車で行くことができます。
ルートは3つ。
①郊外列車RERのC5線の終点 『Versailles Chateau Rive Gauche(ヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ)駅』下車、宮殿まで600m。
この駅が宮殿に一番近い駅となり便利です。
所要時間はパリ市内のRER.C線駅から30分ほど。
市内をセーヌ川に沿って走るRERのC線、乗車できるポイントが多いのでパリ市内のどこからでもアクセスしやすい便利なルートです。
②国鉄『モンパルナス駅』から列車で『Versailles Chantiers(ヴェルサイユ・シャンティエ)駅』へ。所要時間約20分。
駅から宮殿まで約1km。
列車に乗る時間が短いのでこちらもおすすめのルートです。
モンパルナス駅近くに滞在している人はこのルートを。
③国鉄『サン・ラザール駅』から『Versailles Rive Droite(ヴェルサイユ・リヴ・ドロワット)駅』下車、所要時間30分。
宮殿まで1.2km。
駅から少し歩くのが難点ですが、サン・ラザール駅近くに滞在している人には便利なルートです。
②ベルサイユ宮殿の入場方法
世界遺産に登録され、ヨーロッパ随一の宮殿と庭園を誇るベルサイユ宮殿。
いつでも世界中からたくさんの観光客が訪れます。
気になるのは、事前の予約なしに入場できるのかどうかという点です。
私は過去に3回ベルサイユ宮殿を訪れていますが、毎回、当日チケット売り場の列に並んでチケットを購入しています。
混雑で入場できなかったことは一度もありません。
今回は朝9時過ぎに到着しましたが、10分も並ばずにチケットを買うことができました。
心配な方はオンラインでチケットを購入することも可能です。
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Official website - Palace of Versailles
③宮殿内の見どころ
シェーンブルン宮殿も素晴らしい宮殿でしたが、ここベルサイユ宮殿の規模はその比ではありません。
「最も大きく、最も豪華な宮殿を!」という太陽王ルイ14世の声により贅の限りを尽くし建てられたベルサイユ宮殿。
黄金に輝く見事なレリーフに飾られた正門の門構えからすでに圧倒されます。
オーストリアからわずか15歳で単身嫁いできたマリーアントワネット。
この豪華絢爛で広大な宮殿にさぞかしびっくりしたのではないでしょうか。
ベルばらファンにとって最初に見るべき必見スポットは、王室礼拝堂です。
この王室礼拝堂は、王太子ルイ16世とマリーアントワネットの婚礼の式が行われたところです。
マリーアントワネットが結婚契約書にサインをする際に、インクの染みができてしまい、「不吉な…」と場内がざわめくシーンが漫画の中で描かれていますが、そのシーンが蘇ります。
ちなみに染みができてしまったのは史実で、染みのついた結婚契約書が現存しています。
王室礼拝堂を見終えたら、いよいよ宮殿内に入ります。
宮殿での見どころはやはり鏡の間です。
豪華なシャンデリアと鏡張りの回廊は豪華の一言。
ここで夜な夜な舞踏会が開かれたのかなぁなんて妄想してしまいます。
王の寝室や王妃の寝室も見学することができます。
王妃の寝室では、公開出産が行われるのが通例でした。
マリーアントワネットもここで出産したのかな…なんて思いを馳せました。
宮殿内には、ルイ16世の肖像画、マリーアントワネットの肖像画、マリーと3人の子供たちの肖像画が飾られています。
④庭園に散らばる珠玉のベルばらスポット
ベルばらファンであってもなくても、ベルサイユ宮殿の見どころは、宮殿内だけには留まりません。
ベルサイユ宮殿の敷地面積はなんと1,070ha。
東京ディズニーランドが約51haだから、ベルサイユ宮殿は東京ディズニーランドの約21倍!ピンと来ないけど、かなり広い。
広大な敷地には美しい庭園と数々の噴水、マリーアントワネットの離宮であったプチトリアノンなどの見どころが散らばっています。
とても広いので1日ですべてを見て回るのは至難の業。
ベルばらファンとしては、まずはプチトリアノンへ向かいましょう。
プチトリアノンは宮殿から約2kmの位置にあります。
歩けないことはありませんが、かなり疲れるので、足に自信のない人や体力を温存したい人は、庭園内を走るプチトレインを利用して移動しましょう。
料金は7.5ユーロで、他の見どころも周ることができます。
庭園内には、貸し自転車や貸し電動自動車などの移動手段があります。
チェックしてみてください。
プチトリアノンは、マリーアントワネットが家族や親しい人と過ごした離宮です。
厳格な規則や王妃の責務に縛られる宮殿での生活を嫌ったマリーが安らぎを感じることのできる場所でした。
白地に花柄のファブリックやハープやピアノの飾られた部屋はどこか女性的で、マリーの趣味を感じさせます。
十分に豪華な内装ですが、豪華絢爛な宮殿を見た後なので、どこか質素に感じられます。
権力やお金にまみれたキンキラキンの宮殿と王族、貴族社会に疲れたマリーがこの宮殿に癒しを求めたのも分かるような気がしました。
プチトリアノンから少し歩くと、見えてくるのが愛の神殿。
ベルサイユのばらの作中で、マリーアントワネットが想い人であるフェルゼンと密会を重ねたあの場所です。
うーん、ベルサイユ宮殿の敷地内といえども、かなり奥まっていて人気が少ない場所です。
夜には暗くなりますし、当時は街灯もありませんから、警備の兵の目もごまかせますね。
密会にはぴったりだな…なんて臨場感を感じてしまいました。
愛の神殿からさらに歩くと、マリーアントワネットが農村を模して作った小さな集落があります。
池の周りに農家風の建物があり、ヤギやニワトリなどの家畜が放牧されていました。
宮廷の堅苦しい生活から抜け出したかったマリーがノルマンディ地方の農村をモデルに人工的に作らせた村。
実際の農村では飢えや疫病から亡くなる人が後を絶たなかったというのに、マリーは娯楽のためにこの人口農村を造らせ、農民風のドレスを作らせ身にまとった…と非難ごうごうでした。
綺麗に造られたテーマパークのような集落ですが、自然に囲まれとてものどかで、心癒される場所でした。
宮殿の後に訪れたのでなにかホッとするような感覚がありました。
実際に訪れると、王妃から一人の女性に戻り、田舎風の景色に癒されたマリーの心の内が少しわかるような気がしました。
最後までお読み頂き、有難うございました。
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