東京からも行きやすい栃木県日光市。
日光と言えば、世界遺産の日光東照宮や中禅寺湖などの見所がある観光名所です。
そんな誰にでも知られている観光地・日光には隠れて佇む知る人ぞ知る名所『憾満ヶ淵(かんまんがふち)』があるんです。
ズラリと並ぶお地蔵さんの写真を見たことがある人もいるかもしれませんが、それが名所『憾万ヶ淵』です。
秘境感があるのに日光駅から意外と簡単にアクセスできる『憾満ヶ淵』。
この記事では、『憾満ヶ淵』の行き方や周辺の見所もあわせてご紹介します。
1.名所『憾満ヶ淵』へのアクセス
JR日光駅、もしくは東武日光駅前から出ている東武バスの『世界遺産巡りバス』に乗って『総合会館前』で下車します。
総合会館前から歩いて15分ほどで、憾満ヶ淵の入り口にある「含満の茶屋(かんまんのちゃや)」に到着します。
含満の茶屋には憾満ヶ淵の地図が置いてありますので、散策前に立ち寄って地図をもらっておきましょう。
とても優しい奥さんが対応してくださり、地図や憾満ヶ淵のスタンプが押されたコースターなどをくださいました。
2.憾満ヶ淵の駐車場
車で憾満ヶ淵まで行く場合、含満の茶屋の手前に無料で駐車できる駐車場があります。
停められるのは10台程。
満車になることはあまりないと思いますが、紅葉などのハイシーズンで満車になっている時は、手前の大谷川にかかる含満大谷橋のそばにある駐車場を使いましょう。
こちらは広々としていて駐車スペースも多いです。
同じく無料で駐車できます。
3.憾満ヶ淵の見所
古くは松尾芭蕉も訪れたという景勝地。日光の名だたる観光地と比べるとまだ知る人ぞ知る地ではありますが、観光写真に使われたり、外国人観光客にも人気があるんです。
そんな憾満ヶ淵の数ある見所を散策コースに沿ってご紹介します。
・含満の茶屋(かんまんのちゃや)とお地蔵さん
憾満ヶ淵の散策のスタート地点となるのが含満の茶屋です。
お茶屋さんの前にはお地蔵さんが…すでに絵になる雰囲気を醸し出しています。
お地蔵さんの前を通って、まっすぐにのびる一本道を歩いていきましょう。
途中、左側に祀られている赤いお社には聖徳太子が祀られているそうです。
道の向こうに見える門を目指してひたすら歩きます。
苔むした慈雲寺(じうんじ)
門をくぐると慈雲寺というお寺に到着します。苔むした地面や岩、木々の根に趣が感じられます。
白い建物がお寺の本堂。苔や木々の緑とのコントラストが美しいです。
耳を澄ますと川の流れの音が聞こえてきました。散策路に沿って流れる大谷川です。
お寺の本堂の向こうにはチラホラお地蔵さんの姿も見えてきて、異空間への入り口のようなワクワクする魅力を感じます。
写真映えする並び地蔵
慈雲寺の本堂を越えて大谷川沿いに進んで行くと、突如として何十体ものお地蔵さまが並ぶ姿が現れます。
そのお姿は、半分崩れ落ちたものや、頭のないもの、胴体と頭が切り離されて置かれているものなど様々です。
これは洪水で流されてしまったお地蔵さまを地元の方ができうる限り復元した姿なのだそう。
現在は約70体ほどのお地蔵さまが並んでいますが、明治35年に足尾台風の洪水に流される前は100体のお地蔵さんがあったそうです。
70体ものお地蔵さまが並ぶ姿は圧巻。一体、一体表情が違うお地蔵さまをじっくりと眺めたり、写真を撮るのに夢中になれるスポットです。
このお地蔵さま、行きと帰りに数えたお地蔵さまの数が合わない…なんて事から「化け地蔵」とも呼ばれています。勇気のある方は試してみてください!
清らかな水が満ちる憾満ヶ淵
散策路の真横を流れる大谷川。中禅寺湖に源を発するこの川、なんとも言えない透明感のある白みがかったブルーに吸い込まれそうになります。
「憾満ヶ淵」とは、川の流れの途中にある、水の速度がゆっくりになるポイント…「淵」のことを言います。
かつての洪水で深さのあるよどみができたことが原因なのだとか。
淵には豊かな水がたゆたい、より一層水の美しさを感じることができます。
雨の降った日などにはその水量と川の流れの迫力に驚かされます。写真を撮るのに夢中になって身を乗り出し過ぎないように注意してくださいね…!
霊庇閣(れいひかく)で小休止
並び地蔵を見ながら歩いていると、川沿いに建物が見えてきます。
霊屁閣と呼ばれる建物で、慈雲寺を建立した晃海大僧正が建立したものです(現在の建物は洪水で流されてしまったものを再建したものです)。
こちらからの大谷川の眺めは絶景!
日光駅から少ししか離れておらず、たいしたハイキングもしていないのに、すごいネイチャースポットに来たような達成感を得ることができます。
迫力のある川の写真が撮れるので、ぜひ立ち寄ってください。
風情のある橋に異世界を感じる
霊屁閣を過ぎると小さな橋が現れます。山の中から流れてくる豊かな水と、山奥へと続いていく苔むした石段…どこへ続いているのかワクワクしてしまう風景です。
橋を渡ると比較的保存状態の良いお地蔵さまが並ぶスポットがあり、写真撮影のポイントとして人気があります。
紅葉の季節は特に美しく幻想的なようです。
〈イメージ写真〉
私は小雨の日に1人で訪れましたが、なんとも言えない情緒と共に、薄ら寒いものを感じ、ここで散策路を引き返しました。それぐらい異空間を感じる雰囲気満点の地でした!怖がりの方は複数名で散策に行かれることをおすすめします。
休憩におすすめ含満の茶屋
さて、散策を終えて現実の世界に戻りましょう。来た道をまっすぐ戻って、入り口の含満の茶屋まで戻ります。
含満の茶屋では、あんみつやソフトクリームなどの甘味の他、蕎麦などの軽食も頂けます。
散策後の休憩におすすめのお茶屋さんです。
メモ
【基本情報】
含満の茶屋
住所:栃木県日光市匠町8-33
電話番号:0288-54-0713
営業時間:4月から11月の11:30〜15:00
定休日:水曜日
憾満ヶ淵近辺のおすすめレストラン
憾満ヶ淵は日光東照宮などの観光スポットの中心地からは少しはずれたところにありますが、ホテルや有名な飲食店、お土産屋さんなどがあります。
せっかくここまで来たのですから、ぜひついでに立ち寄ってみてください。
中華レストラン翠園
食べログでの評価も高く、日光では有名な中華料理のお店。
日光なのに中華料理?!と思うかもしれませんが、私が日光で食べたものの中でこちらのお料理が一番美味しかった!
このお店を有名にしているのが、日光の美味しい水でつくる杏仁豆腐です。
ランチタイムにはお得なセットメニューに杏仁豆腐がついてきます。リーズナブルにランチを楽しめるので、憾満ヶ淵散策の行き帰りにおすすめです。
メモ
【基本情報】
翠園(すいえん)
住所:〒321-1432
栃木県日光市安川町6-42
電話番号:0288 54 2819
営業時間:11:00-15:00/17:00-21:00
定休日:水曜日
日光珈琲御用邸通り
古民家を利用したカフェはどこか懐かしいぬくもりのある雰囲気。歴史散策の休憩にふさわしい雰囲気のある外観です。
自家焙煎のコーヒーや天然氷のかき氷、スイーツなどを楽しむことができます。
カレーやオムライスなどの軽食もあります。
メモ
【基本情報】
日光珈琲御用邸通
住所:〒321-1434
栃木県日光市本町3-13
電話番号:0288 53 2335
営業時間:10:00-18:00
定休日:月曜日、第一、第三火曜日(祝日の場合は翌日)
ホームページ:http://nikko-coffee.com
憾満ヶ淵近辺のおすすめお土産店
綿半(わたはん)
日光土産として有名な羊羹。その中でも一番歴史のある天明7年(1787年)に創業した綿半。庭に湧き出た清水と北海道十勝産の小豆を使った伝統的な製法を守り続けています。
きめ細かく練り上げられた餡の上質な舌触りにこれまでたべてきた羊羹の常識を覆されますよ!
メモ
【基本情報】
綿半(わたはん)
住所:〒321-1432
栃木県日光市安川町7-9
電話番号:0288 53 1511
営業時間:8:30-17:30
定休日:火曜日
日光駅からバスと徒歩で約40分ほどで到着する異世界。そんなに奥地まで来たわけではないのに、澄んだ空気と水、深い自然を味わうことができます。
食事処やお土産処もそろっているので散策しやすい秘境『憾満ヶ淵(かんまんがふち)』です。
日光にお出かけの際は、有名な東照宮だけでなく一歩足をのばしてみてください。